京都府立大学生が飛騨市で卒業研究ワークショップをやってみた
2023年5月、京都府立大学 環境デザイン学科 都市計画学研究室の学生3名は指導教員の関口先生とともに飛騨市古川地域を訪れました。今回はその様子をレポートします!
田路達也(とうじ たつや)です。兵庫県芦屋市出身で、趣味は旅行です。月に一回程度、近くの街に旅行に行っています。飛騨市へは卒業研究の調査のために訪れました。卒業研究では、飛騨古川地域で地域らしさの特徴や見つけ方をテーマとしています。飛騨市には、飛騨市ファンクラブやヒダスケ!など魅力的な活動があり、また活発な人がいて、とても魅力のある街だと感じました。
今回、現地に行って地域らしさ探しの企画を行う事を先生から提案されたとき、さまざまな人の思う地域らしさや地域の魅力について意見を聞ける貴重な機会だと思ってとても興味が湧きました。今回のイベントを通して、年齢や職業など関係なく色々な経歴を持った人からあまり知られていないマニアックな話など色々な意見を聞くことができ、とても参考になりました。
5月6日に、飛騨古川の地域らしい景観や要素を探すというテーマで調査イベント『飛騨古川地域らしさ探しアーカイブ&マップづくり』を実施しました。まずイベントの導入を行い、その後、2時間ほど地域らしさを探すためにまちあるきをしてもらい、その後グループワークを行うという流れで参加者の皆さんに地域らしさについて考えてもらうこととしました。
導入では、グループ内での自己紹介やイベントの概要・目的、そして今回のイベントで地域らしさを探し・記録してもらうためのスマホアプリの説明などを1時間ほど行いました。そして、参加者の皆さんがスマホを片手に、自由に街を歩きながら、地域らしさを形成していると思うまちの要素(建物や町並みなど)を発見したら、Epicollect5というスマホアプリを使ってその要素の情報・写真を記録してもらいました。結果を後で見返したところ、味噌煎餅などの地域のお菓子や瀬戸川のコイ、ワッフルのお店(カノコヤ)、真宗寺など、多様な地域らしさを見つけていただけました。
まちあるき後、グループに分かれ、各自が見つけた地域らしさの紹介・その地域らしさを守るための方法を考えるワークをしました。1つ目のワークでは、自分の撮影した写真から5枚選び、その5枚について、撮影した対象や説明、地域らしさを守っていくために誰が何をするとよいかを整理してもらいました。2つ目のワークでは、自分の思う地域らしさをグループ内で共有・紹介し合ってもらいました。3つ目のワークでは、それらの写真に写る地域らしさの特徴を表す2つの軸(例:人工―自然軸、新しい-古い軸)で整理してもらいました。そして、その結果をもとに、地域らしさを残すために古川地域で行われるとよい取り組み・イベントを企画してもらい、最後にグループごとに成果発表を行いました。飛騨古川の新旧フォトスポットめぐりや古川まつりの200万人参加目標、みんなでつくるぬくもり発見マップといった内容が提案され、どのグループの発表もとても興味深かったです。
今回のイベント内でもっとも印象に残ったのは、まちあるき後のグループワークの時間でした。参加者の皆さんがグループの人に写真を撮影した理由や撮影対象の歴史などを熱心に話している姿がとても印象的で、参加者の皆さんの地域への愛を感じました。イベントでは参加者の熱意に押されて、想定していた時間よりも長くなってしまいましたが、それでも一人ひとりの思いをワークの中でまとめるためにはより多くの時間が必要だと感じました。
今回のイベントで、参加者の皆さんの熱意や古川への愛など、飛騨古川の良さを知り、このような気持ちこそがまちづくりにおいて最も大切なことだと感じました。