肝付町の方が教えてくれた飛騨の再発見~つくしのモーニングから語る~
こんにちは!
今日は、先日のお米のワークショップで様々感じた中で、鹿児島から来てくださったK様が見つけてくださった、飛騨の『モーニング』の良さ、そしてそこから考える、『関係人口』の可能性について綴っておきたいと思います。
そもそも未来のコミュニティ研究室とは?
『関係人口』というキーワードは今や様々な場面で使われるようになりました。
飛騨市では、かねてから飛騨市ファンクラブや種蔵村民などの仕組みを作り、いわゆる関係人口と呼ばれるような市外の方と連絡が取れ、交流をしたり、こまりごとのお手伝いをお願いしたりできる”観光客”とは違う方を募りつながってきていました。
その流れの中で、今や毎月のように飛騨市に来てくれる方、お仕事でかかわられる方、地域にぐっと入って行事の担い手になり地域を盛り上げてくださる方々など、地域外にいながらも飛騨市の方々と”共創”する存在が見られるようになりました。
実際に飛騨市に関わる方と接する中で、地域との関わりにはさまざまなきっかけがあり、単純なステップアップではなく、また移住とも別の独特のメカニズムがあるのではないか?と仮説を立て、もっと知りたいと思うようになりました。
また、実際に飛騨に住んでみると『この魅力的な喫茶店は5年後10年後もあるのだろうか?』『こんな素敵な飛騨をもっと知ってほしい!』と思うことも多々ありました。
そんな中で、地域と関わる人との居心地の良い接点を作っていき、人口減少下でも地域の魅力を維持していきたいという想いが募りました。
そんな関係人口のメカニズムへの興味と、飛騨への想いが重なりスタートしたのがこのプロジェクトです。
未来のコミュニティ研究室では、実際に飛騨やとある地域とかかわりをもった方へのアンケートやインタビューを通したアカデミックな研究、そして地域の課題に根付いたプロジェクトを進めています。
出逢いのキッカケ:おこめ部ワークショップを開催
12月14日、当研究室で行っている『飛騨米世界ブランド化』チームのワークショップが、飛騨古川にて行われました。
市内外から17名もの方にお集まりいただき、遠くは鹿児島県の大隅半島のさらに南端に近い肝付町、愛知県、富山市、東京都など各地からお越しいただきました。
そんな中で、鹿児島県から来られたKさんと出会いました。
本日ははるばるありがとうございます!
どうぞよろしくお願い致します!
鹿児島県の肝付町から来ました!どうぞよろしくお願い致します!
肝付町といえば、かつて2年半鹿児島でお仕事をしていた私にとってはとても思い出深い地であり、すぐにお顔が浮かぶ懐かしのお客様もいらっしゃり、うれしくなってそんな思い出のお話をしばしさせていただきました。
また、今Kさんは、肝付町の福祉の分野でご活躍されているそうです。
その取り組み内容をご紹介させていただきたいのですが、ここで紹介するには壮大すぎるため、一つの記事の紹介だけさせてください!
https://www.ashita-lab.jp/special/7995/
Kさんからみた飛騨古川”つくし”のモーニングの一コマ
飛騨には、昔ながらの”モーニング”を出してくださるお店が沢山あります。
今回kさんはショートトリップの合間を縫って、ワークショップの朝、モーニングに出かけられたそうです。
https://tabelog.com/gifu/A2104/A210402/21006931/
こちらの喫茶つくしさん。飛騨で大人気のお店です。
筆者は鉄板イタスパが好きなのですが、サンドイッチやクリームソーダのファンも多いんです。
読者の方が飛騨に来られた際は是非お立ち寄りいただきたいお店の一つです!
そんなみんな大好き”つくし”さんでの出来事を、Kさんは興奮気味に話してくださいました!
つくし、とっても良かった!
モーニングも良かったんだけど、その場での人の行き来がとっても良かったんです。
朝早くからお父さん、おじいちゃんたちがおしゃべりをしてて、
鹿児島のお父さんたちに、お酒を飲まなくても語れるんだよって教えてあげたいくらい!
なるほど、外の方ならではの視点だなと思いながら、聞いておりましたら、
続いてこんなエピソードを教えてくれました。
四点杖のおとうさんも、難聴のおとうさんも
視覚に困難を持っている息子さんも
特別な気遣いなく普通にそこにいるんですよね。
福祉に携わるKさんは、年代やその人その時の状況を超えて、いろんな形で町じゅうで助け合うまちを目指されている。そんな中で、つくしのお客さんとマスターの様子にヒントがあったそう。
さらに、こんなことも教えてくれた。
常連のお客さんが、
ここがかえると次の一団が来るんだよ
と教えてくれた んですよね。
それって、”監視”じゃなくて”見守り”だなって。
もし、来る予定の人が来なかったら、見に行ってあげるかもしれないですよね。
確かに、そんなことありそうである。
いつも来るはずの〇〇さんどうしてるのかな?連絡してみようかな?
そんな無意識に”いたわり合う”風景が飛騨のモーニングにはあるのかもしれません。
ほんの短い時間にこんな素敵な一コマを切り抜いて見せていただき、ジワジワと胸がアツくなる気づきでした。
そしてKさんも、『幸せなひととき』として、このエピソードを語ってくださったことがとても嬉しかったです。
よそもの目線で地域がもっと詳しく見える
今回のエピソードは、Kさんがご自身の生業を貫いているからこそ見えた一面なのではないかなと思います。
このエピソードによって、いつもの喫茶店の良さがいつもとは違う視点でくわしく見えて、つい人に話したくなって、語りだしてしまう。
現場にいたから分かるKさんの熱気とそれを聞く私たちの感動。こんな連鎖が生まれたら素敵だなと思いました!
今回感じた”関係人口”がもたらす地域への影響
『関係人口』という概念に当てはめて考えてみました。
「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です。
https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/discription.html
観光や移住なら経済的メリットが見えやすいけど、『関係人口』ってなんの役に立つの?と思われる方も多いと思います。
私たちも、そのように言われることもよくあります。
今回Yさんは出張の合間を縫って飛騨に来ていただき、ワークショップに参加していただいたということなのですが、
そんな短い間で飛騨の人と外の人のふれあいにより、”火花散る瞬間”がふいに生まれました。
もしこれからKさんがずっと飛騨に来なかったとしても、(また来てくださいね!)
このエピソードは私たちの心に残って、いつかそこにいる私やそのエピソードを知った誰かが『飛騨のモーニング、なくしたらアカン!』と思ったり、『あの心地よい空間、心地よい関わり方を再現したい』、そんな風に思って、行動するのではないでしょうか。
ボランティアをする、体験をする、行事に参加する、飛騨でお仕事をする、などいろんなかかわり方がある中で、こんな一コマが生まれ残っていくものが、地域とよそものの関わりの一つの良さなのではないかと、しみじみと実感。
関わってもらう地域、そしてそこに関わる人が幸せな接点を生み出し、繋いでいきたいと改めて思いました。
こんな素敵な感動と気づきを与えていただいたKさん、ありがとうございました!
是非また飛騨市か肝付町でお会いしましょう!
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