地域課題解決アイデアソン in 飛騨 実施報告
こんにちは。
2019年9月28日、我々FCL(=future community lab)研究員である、杉野先生(通称おすぎ)により、『飛騨の課題解決アイデアソン』が開催されました!
今回、課題に対して皆さんの持ち寄った魅力の掛け合わせでアイデアを作るという方法で面白いアイデアが!
プロセスやアイデアを共有させていただきます!
そもそも未来のコミュニティ研究室とは何か?
未来のコミュニティ研究室とは、ひとことで言うと、飛騨市を舞台とした”地域と地域外の幸せなかかわり方を探求するプロジェクト”です 。
飛騨市では、かねてから飛騨市ファンクラブや種蔵村民などの仕組みを作り、いわゆる関係人口と呼ばれるような市外の方と連絡が取れ、交流をしたり、こまりごとのお手伝いをお願いしたりできる”観光客”とは違う方を募りつながってきていました。
その流れの中で、今や、毎月のように飛騨市に来てくれる方、飛騨市の方と協働して商品開発される方、地域にぐっと入って行事の担い手になり地域を盛り上げてくださる方々など、地域外にいながらも飛騨市の方々と”共創”する存在が見られるようになりました。
『関係人口』というキーワードが地方創生の柱に掲げられるなどホットだったこともあり、『移住』をゴールを捉えているかのような施策も散見されるようになります。地域に密着している私たちは、現場で飛騨市に関わる方と接する中で、地域との関わりにはさまざまなきっかけがあるものの、単純なステップアップではなく、また移住とも別の独特のメカニズムがあるのではないか?と仮説を立て、もっと知りたいと思うようになりました。
また、実際に飛騨に住んでみると『この魅力的な喫茶店は5年後10年後もあるのだろうか?』『こんな素敵な魅力を誰も知らないなんてもったいない!』と思うことも多々ありました。
そんな中で、地域と関わる人とのより多く、よりいごこちの良い接点を作っていき、人口減少下でも地域の魅力を維持していきたいという想いが募りました。
そんな関係人口のメカニズムへの興味と、飛騨への想いからスタートしたのがこのプロジェクトです。 未来のコミュニティ研究室では、実際に飛騨やとある地域とかかわりをもった方へのアンケートやインタビューを通した研究、そして地域にある3つのテーマ『飛騨市ファンクラブの進化』『飛騨みやがわ考古民俗館の活用』『飛騨米の世界ブランド化』を掲げて、現地の方を中心としながらもそれぞれに共感した地域外の方が寄り添って実証を進めています。
日程や参加者
開催日:2019年9月27日
参加者: 大阪大学の武田裕之先生、大阪大学の修士学生の岩永真之さん、株式会社Edoの関口祐太さん、盤所杏子さん、やまなみ女将(fcl座長)中村文香、飛び入り参加の宿泊者の方,、舩坂にて行われました。
企画・ファシリテート:
国立大学法人東京大学大学院 農学生命科学研究科 杉野弘明先生(通称おすぎ)
課題解決アイデアソンの趣旨
今回の趣旨が発表されました。これも実は今回のワークショップとも関係が・・!?
今日のタイトルは、飛騨古川のまちが抱える課題解決のための秘策を、素敵なアイデアを持った、若くてピチピチな方達と一緒に、ワイワイしながら企んじゃおう型ミニワークショップです!(72文字)
修飾語が沢山ついていて、楽しそうですね!
後ほどご説明しますね。ではさっそくいきましょう。
スケジュール
2時間という短い時間でしたが、濃密なスケジュールで実施されました。下記のスライドをご参照ください!
ワークショップの方法と様子
課題や魅力を出し合った後、下記流れでアイデアづくりを行いました。
ワークショップの手法のポイント
今回、たった2時間という短い時間に質の高いアイデアが沢山出ました!そのポイントを、終了後3人でおさらいしましたので、こっそり読者の皆さんに公開します!
あやや
今回のワークショップ、とっても画期的でしたね!皆さんが既に認識している魅力の掛け合わせによりどんな課題に対しても解決策が見いだされるというのは驚きでした!
そうなんです。これ実は、昨年初めて実施したときは大失敗したのですが、今回はうまくいきましたね。
このワーク、飛騨の方と一緒にやってみたいと思いました!なぜ今回はこんなにうまくいったのでしょうか?
ポイントはいくつかあります。①最初の課題や魅力の抽出ブレストは個人でやること。②上記のプロセス4の、課題に対する魅力の掛け合わせの時にカードは決められた5枚の中の複数枚を使うこと。③最後のまとめは75文字以内に収めること。その他細かいことは沢山あるのですが、その3つのポイントでうまくいったんじゃないかなと思います。
とってもシンプルなポイントですね。なぜその3つが良かったのでしょうか?
①は、実はブレストって最初からみんなでやってしまうと、一つの良い(と思われる)意見やその場の空気に左右されて、アイデアの幅が狭まってしまうことがあるんです。なので、みんなでやるよりも個人のほうが沢山出てきます。②③は、狙いは同じなのですが、クリエイティビティは制約から生まれるという考え方を僕は持ってまして、適度な制約を設けることにより発想力を膨らませようという狙いがハマりましたね。
なるほど!それは感覚的にも、そう思います。制限があると、不思議と何もない状態では出てこない解決策が沢山出てきたのはそういうことだったのですね!今回の手法、今後のワークショップやイベントで活用させていただきます^^
是非、読者の皆さんも機会があれば、おすぎ先生の手法を活用してみてくださいね。
ワークの様子をご紹介
発表された飛騨の課題解決アイデア
沢山アイデアが出ましたね。それでは、今回『ログライン』というアイテムを使って発表します。75文字以内でアイデアの趣旨を文章にして簡潔にまとめるというものです。
なるほど!それで最初の趣旨説明も72文字だったんですね!映画の予告などでもよく使われるみたいですね。
そうですね。発表は、『市長レク(=市長にアイデアをレクチャー)』形式でいきましょう!では、市長、宜しくお願いします。市長は忙しいので、発表は1分で。
舩坂
どんなアイデアが出たか楽しみですね。忙しいので時間厳守で!(笑)
出されたアイデア(ログライン)
今回、アイデアの発表は、上述の75文字という条件。下記にアイデアを大公開します!
- 飛騨の農家さんは他の地域の農家さんとのつながり・情報交換が少ない。他の地域の農家さんと交流でき、ノウハウを教え合える繋がり作り(63文字)
- 飛騨古川の魅力の発信源として、前向き行政が中心となり、飛騨の匠が木材を用いて、若者向けに山あそびの場を大人向けに彫刻の場を創出していく。 (68文字)
- 飛騨の魅力である、美意識の高さと寛容さが共存する「こうと」の文化を押し出した、こびないオラオラ形の情報発信 (53文字)
- 人情溢れるディープな街。でも魅力が爆発している。作ろう、風と土を交わらせるおばちゃん連合を。(46文字)
- 飛騨出身の同級生たちが、19歳の1年間をかけて飛騨米から日本酒ができるまでをともに体験し、20歳の最初の酒を自分で完成させ飛騨のおとなたちと飲み交わす話。(75文字)
- 日帰り観光客に宿泊滞在してもらえる様に、宿主が魅力あるプランを提案し、一緒にめぐる事で滞在期間を延ばす作戦! (54文字)
- 飛騨市のイメージが外部の人にはない。地域の変人、年配者、移住者、若者が一緒に、飛騨のDNAであり美意識である“ぜんぜのこ”を集約・整理し、市内へ浸透、市外へイメージさせる、「ぜんぜんぜんせ」から「ぜんぜのこ」プロジェクト。 (109文字)
ワクワクの多様なアイデアが短時間で生み出されました!お一人、大幅に文字数オーバーしている人は誰でしょうか?!自由な参加者の方々でした(笑)
素敵なアイデアだったので、持ち帰って今後形になっていくものがあるかもしれません^^
それでは杉野先生、参加者の皆さん、ありがとうございました♪
エピローグ
今回、大阪大学のお二方は初めての飛騨に来てくださいました。
地域の課題や魅力を通常の滞在よりも沢山知ることになったお二方、飛騨のショートトリップは楽しんでいただけましたでしょうか。
楽しいひと時を、ありがとうございました。また飛騨に帰ってきてくださいね。
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